日本流通学会 関西・中四国部会 第153回定例研究会
日本流通学会 関西・中四国部会 第153回定例研究会を開催しました。
【日時】2025年12月20日(土)
研究報告会 14:00~(17:30終了予定)
※理事・幹事会は、13:00から同じ会場で開催予定
【場所】
立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)B棟B276教室+Teams
〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150(JR茨木駅東口より徒歩5分)
会場アクセスとキャンパスマップ https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=229844&f=.pdf
※Teamsでの参加方法は下記をご参照ください。
【プログラム】(報告35分、質疑応答20分を予定、敬称略)
第1報告:「商店街における人材確保および事業承継に関する研究―中間発表―」
【報告者】杉本育(福井県立大学大学院)
【司会】角谷嘉則(桃山学院大学)
【概要】地域の中小企業や商店街組織において、人材確保(従業員採用)の困難と後継者不在の問題は同時進行で顕在化している。従業員確保と後継者承継は一見異なる課題に見えるが、「人材の獲得」という共通の枠組みで検討する。本研究では、2025年2月に経済産業省DBに基づく商店街振興組合・協同組合2345法人(廃業法人除く)を対象にアンケート調査を行い、451件の回答を得た。今回本研究の中間報告を行い、人手不足の状況、採用手段、承継希望や計画の有無、後継者確保状況などを分析することで、両課題が相対的にうまく進んでいる組織の特徴を探索的に明らかにする。
第2報告:「1970年代後半の日本における健康ブームの社会的形成 ―市民ランニングの台頭を
手がかりに―」
【報告者】竺沙悠一郎(京都大学大学院)
【司会】杉田宗聴(阪南大学)
【概要】本研究は,1970年代後半以降の日本の健康ブームの隆興を,同時期に同じようにブームとなって台頭してきていたランニングをもとに,当時の社会経済的背景と個人のランニングの実践から解明するものである。主史料は1976年創刊の月刊誌『ランナーズ』であり,その誌面内容と読者投稿をもとに分析を行う。特に,経済成長による可処分所得の上昇が人々の物的欲求を充足する一方で,精神的欲求の充足へと価値意識の重点が移行しつつあったことに着目し,人々の欲求を充足させる一手段としてのランニングを分析する。このことにより,人々が高度成長期から安定成長期に時代が移る中で,何を考え,実際にどう行動していたかを,マクロでは見られないミクロな視点から明らかにする。
第3報告:「商業施設による産学連携と商業インキュベーション―マーサ21『岐阜県高等学校商業達人カップ』の事例―」
【報告者】池澤威郎(阪南大学)
【司会】西口真也(名古屋学院大学)
【概要】本報告では、商業施設におけるインキュベーションの試みが、商業教育の観点のみならず、事業者に対してどのような影響があるのかについて事例をもとに明らかにすることを目的とする。毎年、岐阜県下の複数の商業高校が参加し、商人としての素養を総合評価する試み「岐阜県高等学校商業達人カップ」が商業施設マーサ21で開催されている。本事例では、株式会社化し事業を行う商業高校や、仕入代金を協賛する商業施設など、様々な支援体制が敷かれている。本報告では、高校教員、商業デベロッパー、支援企業へのヒヤリングを通じてその体制の態様を明らかにする。その中で、学年が変わってもノウハウが残り、再投資がなされる循環型の仕組みを持ちながら、特に会場を提供する商業デベロッパーが長期的な視点でインキュベーション機能を果たしていることが分かった。
第4報告:「緑茶の国際化と茶商の役割」
【報告者】舟橋豊子(立命館大学)
【司会】相原延英(大和大学)
【概要】緑茶の消費量は日本では減少傾向にある一方、海外においては日本食ブームの影響や健康志向の高まりによって、飲用だけでなく食用関連でも需要伸長が著しい。そのため、茶農家や企業では海外での需要増加を見据え、輸出向け栽培への転換を進めるなど新たな販路開拓が進んでいるが、緑茶の輸出拡大には、輸出に関わる流通業者(茶商)が買い取りやすい茶葉であることが重要である。
本研究では、先行研究および静岡県、鹿児島県、日本茶輸出促進協議会へのインタビュー調査を通じて、緑茶の販路形成、市場拡大、輸出における茶商の役割について検討する。
<ご連絡>
研究会終了後、18時00頃から、会場近くでの懇親会を予定しています。
(会費:一般会員 実費5,000円、準会員 1,000円)。こちらも是非ご参加ください。
ガーデンテラスライオン(OIC内)
立命館いばらきフューチャープラザ店
大阪府茨木市岩倉町2-150 立命館いばらきフューチャープラザ1F TEL050-1807-6582
https://www.ginzalion.jp/shop/brand/lion/shop50.html#shopinfo_cont
※JR京都線 茨木駅 徒歩7分、阪急京都線 南茨木駅 徒歩7分
なお、今回は懇親会参加希望の方には12月12日(金)までに事務局(ikezawa@hannan-u.ac.jp)へメール連絡をしていただきたく存じます(受付終了)。
お手数をおかけいたしますが、ご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
次回、第154回定例研究会は2026年4月11日(土)阪南大学+オンラインを予定しています。
【Teamsでの参加方法】
次のURLからご参加ください。
トピック: 日本流通学会 関西中四国部会 定例研究会
時間: 2025年12月20日 14:00 PM
会議 ID: 479 181 586 873 12
パスコード: GL7nx2qZ
日本流通学会 関西・中四国部会 第154回定例研究会のご案内
日本流通学会 関西・中四国部会 第154回定例研究会のご案内
日本流通学会会員 各位
時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素よりたいへんお世話になり、誠にありがとうございます。
早速ですが、第154回定例研究会についてお知らせいたします。
年度替わりのご多忙中、たいへん恐れ入りますが、ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。
なお、今回の研究会は4つの研究報告会となっております。
懇親会参加希望の方には4月3日(金)までに事務局まで
メール連絡をしていただきたく存じます。
【日時】2026年4月11日(土)
研究報告会 14:00~(17:30終了予定)
※理事・幹事会は、13:00から同じ会場で開催予定
【場所】+Teams(オンライン)
阪南大学あべのハルカスキャンパス(予定)+Teams
〒545-6023 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1-43あべのハルカス23階
阪南大学あべのハルカスキャンパス(JR天王寺駅・近鉄阿部野橋駅 徒歩1分)
会場アクセスとキャンパスマップ
https://www.hannan-u.ac.jp/harukasu/mrrf43000000vwgw.html
【プログラム】(敬称略)
【第1報告】タイトル:「日本におけるハラール属性がムスリム観光客の観光満足および行動意図に与える影響 ―観光満足との関係における宗教性の調整効果――」
報告者:流通科学大学 博士研究員 GHIMIRE ANIL(ギミレ アニル)
司会者:下門真人(京都橘大学)
概要:日本ではハラール属性が整備されつつあるが、各ハラール属性に対するムスリム観光客の評価や、宗教性の違いによってその影響が異なるのかは未解明である。本研究は、日本を訪れたムスリム観光客338名を対象に、ハラール属性が観光満足およびロイヤルティに与える影響と宗教性の調整効果を実証的に検証した。分析の結果、平均値の比較ではハラール食品や礼拝施設よりもムスリムフレンドリー施設・サービスの評価が高かった。また、ハラール属性全体を対象とした構造モデルでは宗教性の調整効果は確認されなかったが、特定の関係に着目した追加分析では、ハラール食品と満足の関係においてのみ有意な調整効果が確認された。これにより、宗教性はハラール属性全体に一様に作用するのではなく、特定要素に限定して作用することが示され、ハラールツーリズム研究に新たな知見を提供する。
【第2報告】
タイトル::「日本における共同型PBに関する一考察:日本流通産業(ニチリウ)における「くらしモア」を中心に」
報告者:厳 雨濛(関西大学大学院)
司会者:金度渕(大阪商業大学)
概要:本研究は、複数の小売企業で取り扱われている共同型プライベートブランド(PB)
に着目し、その形成背景と役割・意義を検討することを目的とする。近年、物価上昇や市
場競争の激化を背景に、小売企業には調達力の強化と商品力の向上が求められている。こ
うした環境下におけるPB戦略の一つとして、本研究では日本流通産業(ニチリウ)が展
開する「くらしモア」を歴史的な分析を通じて、加盟企業間の連携による共同型PBの創
出過程を明らかにしていく。
【第3報告】
タイトル:「京都の和菓子業界の特徴と末富のマーケティング―高度成長期から2000年までの変遷を踏まえて―」
報告者:當眞瑞代(大手前大学)
司会者:池澤威郎(阪南大学)
概要:本研究の目的は,茶道が盛んな京都の地域特性を踏まえ,京都の和菓子業界の特徴を明らかにすること,また,京菓子などの商品開発や価格設定で,リーダー的存在の小規模製造小売である京都の末富のマーケティング活動に関して明らかにすることである。京都は全国と比較して、事業所数の減少が少なく,それは,歴史的背景から,特に神社仏閣,茶道などの安定的な顧客に支えられており,また,出荷金額の高い増加率は,観光の影響もあると考えられることを明らかにした。そして,末富の事例分析から,末富が,京都という地域特性のもと,手作りの茶道菓子を究め,茶道界の信用を得て,ブランドを構築し,顧客自ら店舗を訪れる仕組みを作り出したことであることを明らかにした。
【第4報告】
タイトル:「中山間地におけるラストマイル配送問題の検証」
報告者:馬場芳(鳥取大学)・磯野誠(公立鳥取環境大学)
司会者:田中彰(京都大学)
概要:本報告では,ラストワンマイルに直接関わる生活者と配送者それぞれの配送サービスについての現状,ニーズ,提案をもとに課題の解決策,効率化策を考案することが目的である。さまざまな属性を対象としてグループ・フォーカス・インタビューを実施し,顧客のニーズを整理した上で宅配ボックスについての意識調査を実施し,あわせて実証実験の結果,宅配ニーズの優先順位を導き出した。
また,市内の配送業者から見た配送サービスについては,生活者ニーズに対応するため,一括納品拠点の構築や独自のコミュニティ配送を構築しているケースが見られる。コングロマリット経営により,異業種をネットワークとして繋げ,利益を地域に還元する事例も見出すことができた。
<ご連絡>
研究会終了後、18時00頃から、会場近くでの懇親会を予定しています。
(会費:関西圏内一般会員 4,500円(予定)(上限5,000円)、関西圏外一般会員 3,000円、準会員1,000円)。こちらも是非ご参加ください。
THE BRITANNIA(ザ・ブリタニア)
関西・中四国部会 第155回定例研究会(部会大会パネルセッション)のご案内
時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素よりたいへんお世話になり、誠にありがとうございます。
早速ですが、第155回定例研究会についてお知らせいたします。
初夏の日差しの中で、ご多忙の折大変恐れ入りますが、ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。なお、今回は日本流通学会40周年出版に関わるパネルセッションとして「持続可能な流通と消費」とのタイトルで実施を致します。
(特別企画が通常の研究会より1時間前倒しで開催されます。開始時間をお間違えのないようお願いいたします)
【日時】2025年7月11日(土)
研究報告会 13:00~(17:30終了予定)
※理事・幹事会は、12:00から同じ会場で開催予定
【場所】関西大学千里山キャンパス第2学舎2号館C506教室
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/about/campus/ +Zoom
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号(阪急電鉄千里線「関大前」駅下車、すぐ(正門までは徒歩約5分))
会場アクセスとキャンパスマップ https://www.kansai-u.ac.jp/ja/about/campus/
※ZOOMでの参加方法は下記をご参照ください。
部会大会パネルセッション:タイトル 「持続可能な流通と消費」
13:00~13:20
解題:木下明浩(立命館大学)「持続可能な流通・消費を捉える視点」
持続可能性(Sustainability)の研究対象領域は環境、経済、社会と広範囲に及び、サプライチェーン、消費、経営、サービス・エコシステムの領域でも重要な研究テーマとなっている。解題では、物質的循環とサプライチェーン、消費およびサービス・エコシステムの持続可能性、制度(ルール・規範・信念)が持続可能性に果たす役割について問題提起する。
13:20~14:00 35分報告+簡単な事実確認の質疑
第1報告:小林富雄(日本女子大学)
タイトル:サステナビリティの再定位とフードサプライチェーンー食品ロスと質的調整チャネルの再設計ー
「サステナビリティ」は経済活動の存続可能性として理解されることが少なくない。しかし、経済活動を営む人類は食を通じた他の生命との関係のなかで維持される以上、人類の経済活動のみを切り出した持続は成立しない。本章はこの点を踏まえ、サステナビリティを生命の再生産を支える物質循環の持続性として再定位(reposition)する。この視点に立てば、食料の生産・分配・消費を担うフードサプライチェーンが中核的領域として浮かび上がる。食品ロスは、単なる廃棄物問題ではなく、この物質循環の断絶として看過できない課題である。すなわちサステナビリティの射程そのものを問う問題である。
本報告では、国内外で大量に発生する食品ロスを、需給コミュニケーションの機能不全という構造的問題として捉え、ブルウィップ効果と権力構造の観点から余剰発生のメカニズムを分析し、値引き販売や寄付を含む「質的調整」チャネルの機能と限界を整理する。さらに筆者が日本代表委員として参画する国際標準化の動向と日本の実践事例を踏まえ、量的調整と質的調整の統合的設計という視点から展望を提示する。
Garrone, P., Melacini, M., & Perego, A. (2014). Opening the black box of food waste reduction. Food Policy, 46, 129–139.
小林富雄(2020)『食品ロスの経済学』農林統計出版.
Papargyropoulou, E., Lozano, R., Steinberger, J. K., Wright, N., & bin Ujang, Z. (2014). The food waste hierarchy as a framework for the management of food surplus and food waste. Journal of Cleaner Production, 76, 106–115.
14:10~14:50 35分報告+簡単な事実確認の質疑
第2報告:中西大輔(駒澤大学)
タイトル:コミュニケーション資本主義における消費のサステナビリティ
報告概要:
本報告の目的は、コミュニケーション資本主義における消費の変容を明らかにしながら、消費のサステナビリティについて考察することである。消費者のアテンションやデジタル・データ、情動などが経済価値化されているコミュニケーション資本主義において、消費のサステナビリティが課題となっている。例えば、ソーシャルメディアが情動的ネットワークとして機能することで、消費者の象徴的能力が衰退し、相互受動的な消費が広がっている。あるいは、安全装置的に出力した基準を規律のように発動させるレコメンデーションによって、「予測できない出来事の生来」という潜在的な可能性が排除され、究極的な意味での消費の自由の侵害が生じている。そうであれば、消費における他でもあり得る可能性をいかにして取り戻すかということが問われなければならない。資本主義からの「漏出」を論じた議論を検討しながら、コミュニケーション資本主義という現代における消費のサステナビリティについて考察したい。
参考文献:
伊藤守編『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求—ポスト・ヒューマン時代のメディア論—』東京大学出版会、2019年。
柴田邦臣『〈情弱〉の社会学—ポスト・ビッグデータ時代の生の技法—』青土社、2019年。
M. ラッツァラート(村澤真保呂・中倉智徳訳)『出来事のポリティクス—知-政治と新たな協働—』洛北出版、2008年。
14:50~15:30 35分報告+簡単な事実確認の質疑
第3報告:崔琳源(松山大学)
タイトル:価値共創を編成するサービス・エコシステムのガバナンス―瀬戸内国際芸術祭における制度化と持続性―
報告概要:
近年、S-Dロジックの発展に伴い、価値共創を理解する枠組みとして、アクター間の相互作用がミクロ・メソ・マクロへと展開する動態的プロセスに着目するサービス・エコシステム(SES)の視点が注目されている。また、資源統合や価値共創を可能にする制度は、SESのガバナンスを理解するうえで重要な基盤であり、制度がいかに持続的に機能するかという点にも、近年関心が高まっている。しかし、価値共創を支える制度が、いかなるプロセスを通じて形成され、持続的に機能していくのかについては、十分に解明されていない。本研究では、2010年の開始以来、十数年にわたり継続してきた瀬戸内国際芸術祭を事例として、多様なアクターの相互作用を通じて価値共創がどのように編成され、制度化されてきたのかを分析し、その持続的機能のメカニズムを明らかにする。
参考文献:
Braathen, P. (2025). Striking dynamic balance between functional and structural sustainability in service ecosystems. AMS Review, 15(1), 112-126.
Findsrud, R., Hanssen, M., & Sörhammar, D. (2025). Toward a theory of sustainable resource integration. AMS Review, 15(1), 142-156.
Vargo, S. L., & Lusch, R. F. (2016). Institutions and axioms: An extension and update of service-dominant logic. Journal of the Academy of Marketing Science, 44, 5-23.
15:40~16:00
コメント:種市豊(摂南大学)
16:00~16:20
コメント:田中彰(京都大学)
16:25~17:20 パネルセッション
モデレーター 木下明浩
報告者 小林富雄 中西大輔 崔琳源
コメンテーター 種市豊 田中彰
<ご連絡>
18時00頃からキャンパス内のレストラン「チルコロ」:関西大学・千里山キャンパス(正門横の新関西大学会館南棟4階)での懇親会を予定しています。
(会費:一般会員 4,500円、大学院生1,000円)。こちらも是非ご参加ください。
関西・中四国部会 第156回定例研究会(金沢開催)を開催しました。
日時:2026年9月26日(土)13:00より ※エクスカーションは9月27日(日)=下部参照
場所:金沢星稜大学女子短期大学部 キャリアデザイン館4F、C43教室+オンライン
参加費:研究会、エクスカーションは無料。
懇親会は一般5,000円、学生3,000円(関西・中四国部会所属会員については部会より補助する場合があります)。
【第1部】研究会 ※報告時間20分、討論25分
13:00-13:05 開会あいさつ 堀川新吾(中部部会長、社会福祉法人慈光福祉会)、岸本秀一(金沢星稜大学女子短期大学部学長)
13:05-13:50 第1報告
報告者:呉文卓(京都大学・院)
タイトル:「中国におけるウォルマートの持続的成長」
司会:佐々木保幸(関西大学)
【概要】
本研究は、中国市場においてウォルマートが持続的成長を実現してきた要因を、長期的かつ動態的な視点から解明することを目的とする。外資系小売企業の多くが撤退する中、同社は制度変化や競争環境の激化、消費構造の変容に対応しながら成長を維持してきた。本稿では、ダイナミック・ケイパビリティ論と過程追跡法を分析枠組みとして用い、1996年の中国進出以降の事業展開を複数の時期に区分して検討する。具体的には、初期の標準化を基軸としたオーガニック成長、M&Aによる規模拡大、さらにサムズクラブを中心とした高付加価値化およびオンライン事業の展開という成長メカニズムの変遷に着目する。これにより、ウォルマートが中国市場において持続的成長を実現し得た要因とその形成プロセスを明らかにする。
13:55-14:40 第2報告
報告者:呉凡(立命館大学・院)
タイトル:「持続可能なラストマイル配送に関する消費者選好」
司会:宮﨑崇将(追手門学院大学)
【概要】
セルフ受取サービスは持続可能なラストマイル配送の手段として注目される一方、自宅での対面受取が依然として最も選ばれている。また、消費者の持続可能性への関心が実際の配送方法の選択に結び付かない課題が存在する。本研究は、持続可能なラストマイル配送に対する消費者選好を明らかにし、環境・社会情報の提示が配送方法の選択に与える影響と、消費者選好の異質性を解明することを目的とする。本研究は、日本の都市部に居住し、直近3か月以内にオンラインショッピングを利用した消費者約500名を対象に、離散選択実験を実施する。アクセス距離、荷物の重さ、ポイント付与、持続可能性情報が異なるスマート宅配ロッカーと対面受取を提示し、選択結果から各属性の部分効用値と相対的重要度を算出する。さらに、ロッカーに対する態度、利用経験、持続可能性に関する知識・意識を用いた潜在クラス分析により、消費者グループ間の選好の違いを明らかにする。
14:50-15:35 第3報告
報告者:畑憲司(金沢大学、グロービス経営大学院)
タイトル:「「21世紀型総合商社」研究に係る論点とアプローチ(仮)」
司会:田中彰(京都大学)
【概要】
田中(2025)では「21世紀型総合商社」を主に「バリューチェーン戦略」、つまり垂直統合戦略・事業戦略の視座から整理することに成功している。一方で、「21世紀型総合商社」を投資戦略・全社戦略の視座からどう捉えられるかという点については、必ずしも明らかにされていない。今回の発表では、「21世紀型総合商社」を事業戦略・全社戦略の双方の視座から捉え、より包摂的な論点整理を行うことを通じ、今後の研究アプローチについて示唆を得ることを企図している。
15:40-16:25 第4報告
報告者:小谷健一郎(千葉商科大学)
タイトル:「岐阜アパレル産地における製造卸の事業転換と組織能力の形成 ―S株式会社を事例として―」
司会:堀川新吾(社会福祉法人慈光福祉会)
【概要】
本報告は、SPAの台頭や海外生産の拡大、消費構造の変化によって衰退した岐阜アパレル産地において、なぜS株式会社が事業転換を経て第二創業を実現し、再成長を遂げることができたのかを明らかにする。1953年の創業から現在までを対象に、同社の事業展開を企業家活動と組織能力の変容という視点から分析する。同社は、高度成長期には低コスト・高効率の製造卸として成長したが、1990年代以降、価格競争の激化によって従来のビジネスモデルの限界に直面した。そこで事業承継を契機に、技術開発、知的財産化、国内生産機能の内部化、人材育成を進め、供給型の製造卸から提案型ODM、さらに価値共創型のソリューション企業へと転換した。本事例は、製造卸売業が単なる仲介機能にとどまらず、技術・生産・人材を組織能力として蓄積し、顧客との価値共創へと機能を拡張することが、環境変化の下で存続・発展するための一つの方向性を示唆するものと考える。
【第2部】特別講演 ※講演30分、質疑応答10分
16:30-17:10 講演
講師:池田薫様(株式会社ぶどうの森 蒸留所事業部蒸留部 部長、グランドメゾンプロジェクト担当 兼 広報)
タイトル:「株式会社ぶどうの森の事業展開――「農」から広がる六次化の軌跡と未来」
17:10-17:25 総括コメント・閉会あいさつ 田中彰(関西・中四国部会長、京都大学)
18:00-20:00 懇親会
地もの旬菜 和酒三昧 ざくろ 金沢駅前
https://zakurokanazawa.owst.jp/
○エクスカーション:イオンモール白山見学
日時:2026年9月27日(日)10:00-12:00
場所:イオンモール白山
※店舗側より概要説明+自由見学。